70人分のそぼろ丼、美味しく作れる「道具の二刀流」とは?

前回の記事「熱源パズル」では、大鍋が何口しかない現場でいかに段取りを組むかをお伝えしました。今日は第2回。本日のメインは牛肉のそぼろ丼です。        「そぼろ」って、家庭で作ると案外パラパラにならなかったり、子どもに食べさせると「かたまってる!」なんて言われたりしませんか?70人分となれば、その難しさはさらに何倍にも跳ね上がります。今日は現場でたどり着いた、ちょっとしたコツをお届けします。

本日の献立

シンプルなようで、そぼろ丼は三種類の具材を別々に仕上げてから盛り付けるため、実は工程数の多い一品。今日は特にそぼろと玉子に力を入れました。また本日も煮込む時間が長いものが多いので効率よく仕上げていかなければなりませんでした。

工程解説1 合挽肉をプロの味にする下処理 

正直に言います。予算の都合上、本日のそぼろには合挽ミンチを使っています。牛100%に比べると、豚が混ざった合挽は脂が多く、加熱すると臭みが出やすいです。ですが予算を抑えてたくさんの量を作れますし、ちゃんと工程を踏めば美味しいそぼろを作ることができます。予算や調理場など様々な制限がある中で技術でカバーすることが現場で重要なスキルになると思っています。

今回こだわりたいポイントは2つだけ!

工程解説2 パラパラ・ふわふわの秘密は「道具の二刀流」

ここが今日の本題です。大量調理のそぼろ作りで、ほとんどの人がつまずく問題があります。それは、肉同士がくっつきかたまりになってしまうこと。

家庭の少量ならスプーンで手早く崩せますが、70人分の大鍋では追いつきません。そこで必要なのが道具の「持ち替え」です。

最初はふつうの木べらで大きく炒め、肉の色が変わりはじめたタイミングで大型の泡立て器(ホイッパー)に持ち替えます。泡立て器のワイヤーが肉の塊に入り込み、細かく崩しながら混ぜてくれるんです。

これだけで、こびりつきやかたまりが格段に減ります。知っている人には「あたり前」かもしれませんが、初めて大量調理に入った方には、ぜひ試してほしいテクニックです。

彩りと全体の仕上げ

三色そぼろの「緑」を担うほうれん草は、シンプルに醤油・みりん・ごまで和えます。下味を薄くしすぎないのがポイント。そぼろや玉子と一緒に口に入ったとき、ほうれん草の味がちゃんと主張してくれることで、全体のバランスが取れます。

茶色・黄色・緑の三色が丼に並んだとき、思わず「きれいだな」と感じる瞬間が好きです。大量調理でも、盛り付けの彩りを大切にすることが、食べる方への礼儀だと思っています。

私が現場で長年使っているのは、ワイヤーが太くてたわみにくい業務用の大型ホイッパーです。家庭用との違いは、耐久性と「しなり」の少なさ。大鍋の底に力を伝えやすいので、少ない動作でしっかり混ぜられます。いずれ詳しくご紹介できればと思っています。

読者の皆さんへ。
大量調理の現場でそぼろを作るとき、みなさんはどんな工夫をされていますか?「うちの職場ではこうしてる!」「こっちの方が効率いいよ」という声、コメントで教えていただけると嬉しいです。現場ごとの知恵を持ち寄って、一緒に引き出しを増やしていきましょう。

次回は、今日の副菜「根菜と平天の煮物」の火入れタイミングと、大量調理ならではの含め煮の考え方についてお話しする予定です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました